Sunday, February 18, 2018

幻の女 PHANTOM LADY

「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」
こんな本を読んだ。

『幻の女』( ウイリアム・アイリッシュ著、黒原敏行訳、早川書房 2015)
“ぬたくる”電車、舞台ショー、ホテル生活に、株式ブローカー、凋落した貴婦人、油田事業、バーにミュージシャン、1940年代やそのニューヨークに思いを馳せる本でした。
5月末のニューヨーク、どんな感じなのでしょう。
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"The night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour." 

How is it May of N.Y? What kind of city is it? After reading 『PHANTOM LADY』(by William Irish, Trans. by Toshiyuki Kurohara, Japanese Edition 2015), I wanted to go there. 


Tuesday, February 6, 2018

ウールフ、黒い湖 OEROEG

オールフ、黒い湖(ヘラ・S・ハーセ著)
『ウールフ、黒い湖』(ヘラ・S・ハーセ著/國森由美子訳/作品社/2017)を読みました。
1910年ごろ以降のジャワ島を中心場面に、主人公の「僕」が幼少期からの出来事を一つ一つ振り返りながら、誰かに語っているような印象で書き綴られ進んでいく物語です。
 また、本書の「訳者あとがき」ではヘラ・S・ハーセ(1918−2011)の生涯と作品について、オランダの読書週間といった社会習慣も含め充実した文量で紹介され、初めて知ったヘラ・S・ハーセとその生きた時代を知りました。
 作者の実体験から描かれているジャワの気候、社会、食べ物、その記憶と情緒は、「訳者あとがき」と併せて読むことで、その風土を取り巻いてきた社会情勢や歴史を、自分自身が何も知らなかったと実感する機会にもなりました。

 物語の中で、最終的に描き出されるのは「僕」や登場人物たちの“アイデンティティーと共生”ということになるでしょう。個人の自由が拡大している今日において、自分自身のアイデンティティーとは何か、あるいは、それぞれの身が置かれる文明で他者とどの様に共生していくのかを考えるきっかけを与えてくれる本だと思います。
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I read in OEROEG(by Hella S. Hasse, Translation:Yumiko Kunimori, Japanese edition, Sakuhinsha 2017) that she is reknown writter of Netherland. I think from this book that you will be able to think about your identity and versatile flexibility in social.