オールフ、黒い湖(ヘラ・S・ハーセ著) |
1910年ごろ以降のジャワ島を中心場面に、主人公の「僕」が幼少期からの出来事を一つ一つ振り返りながら、誰かに語っているような印象で書き綴られ進んでいく物語です。
また、本書の「訳者あとがき」ではヘラ・S・ハーセ(1918−2011)の生涯と作品について、オランダの読書週間といった社会習慣も含め充実した文量で紹介され、初めて知ったヘラ・S・ハーセとその生きた時代を知りました。
作者の実体験から描かれているジャワの気候、社会、食べ物、その記憶と情緒は、「訳者あとがき」と併せて読むことで、その風土を取り巻いてきた社会情勢や歴史を、自分自身が何も知らなかったと実感する機会にもなりました。
物語の中で、最終的に描き出されるのは「僕」や登場人物たちの“アイデンティティーと共生”ということになるでしょう。個人の自由が拡大している今日において、自分自身のアイデンティティーとは何か、あるいは、それぞれの身が置かれる文明で他者とどの様に共生していくのかを考えるきっかけを与えてくれる本だと思います。
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I read in OEROEG(by Hella S. Hasse, Translation:Yumiko Kunimori, Japanese edition, Sakuhinsha 2017) that she is reknown writter of Netherland. I think from this book that you will be able to think about your identity and versatile flexibility in social.
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